セイロンベンケイソウ
・セイロンベンケイソウの花を観察する。
・不定芽から育てて2〜3年待つ。
・セイロンベンケイソウも,花をつけ種子をつくることがわかる。
キャベツがたまに「とう立ち」しているのを見たことがあるでしょう。条件によって,葉を巻かず花茎を伸ばして花をつけます。同じ現象ではないですが,窓辺に置いていたセイロンベンケイソウが,花茎を高く伸ばして花を咲かせました。花茎は60㎝以上ありましたが,1mを超える場合もあるそうです。花が咲くまで2〜3年かかりますし,毎年咲くとは限りません。 花といっても形状は一般的ではありません。動画のように,まずは花茎がどんどん伸び,上部に薄緑色の繭のようなものがたくさんぶら下がります。やがて陽に透けて,中のつぼみや子房がぼんやり見えるようになります。2月中はそんな状態でした。3月に入って,花芽を包んでいたガクを花が突き破り,下に向かって咲き広がり始めました。花が赤くて形状が灯篭のように見えるため「トウロウソウ」とも呼ばれます。3月下旬には咲きそろいました。 ガクに包まれている花,咲いた花,咲き終わった花の様子を詳しく見てみました。ガクを半分カットすると,小さな子房とつぼみ,雄しべと雌しべ,膨らんだ子房が見られました。さらに花びらをめくってみると,葯がついて花粉が出ている8本の雄しべと,先が尖ったような2本の雌しべがありました。その雌しべは2本がくっついていたので,針先で分けると実は4本だったことが分かりました。また,花が枯れている子房をカットするとピーマンのようで,無数の小さな白い種子がぎっしり詰まっていました。この種子が熟して有性生殖で増やすことができるのでしょうか。 セイロンベンケイソウには,葉から芽がでることから「ハカラメ」「マザーリーフ」「幸運の葉」という別名があります。シーズンになると100円ショップでも購入できます。葉の鋸歯のへこんだ部分から不定芽を出して増えることはよく知られていますが,花を咲かせることはあまり知られていないのではないでしょうか。 さらに,様々な部分から粘液を出すことも知られていないでしょう。花柄,咲き終わった花の先など,様々なところに丸い雫状の粘り気の強い粘液が見られます。勇気を出して舐めてみた人がいます。結果は・・・何と甘いのです。まるで水飴のような味わいです。ただ,どういう役割をしているのか,条件は何なのかははっきりしていません。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 野菜の花を咲かせよう
生物 | 植物 | 探究心 | 795 | 春
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室内; |
普通
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少ない
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